鈴木紫苑の鑑定だより第六回(会報誌さつき6号より)
女性諸君、女性の皆さん、結婚、結婚、結婚と目の色をかえなくても、男なんてそこら中にあふれていますよ。年齢も上から下まで、ひとり者の男がいっぱいいますよ。だけど、いざ、本気で紹介となると、女性側の条件が厳しくて、「長男はだめ、親と同居はだめ、(ただし金持ちで別棟はO・K)強い親はだめ、太めはだめ、小さいのだめ、無口だめ、学歴ないのだめ、酒、たばこだめ、仕事が忙しすぎるのだめ、等、等、等」あれれ、私のひとり息子もたったひとりのオイも条件に該当しないなんて、何て運が悪いの。こうなったら、強いかあちゃん、たくましいおばちゃんとして、息子とオイをこの私がりっぱに守り通してみせます。なんちゃっていうのに、この男二人は私に見向きもしないで、一年間に数時間しか姿を見せないではないの。顔も忘れてしもた。
非常に多くの鑑定を通して、いつも考えさせられるのが「女って何なのだろう。女はどう生きたらいいのだろう」ということです。同性として話を聞きながら、とても不思議さを感じてしまうケースが多いのです。
七十代後半の女性
若い頃から夫に愛人がいて、二十年前に夫は愛人宅で急死してしまいました。夫に対しては腹がたったけれどそれほどショックは受けなかったそうです。それよりも、十五才年下の男と十五年位つき合っていて、その男が別の女の元へ、十年位前に走っていった方がどれだけショックが大きかったことか。その後、現在に至るまで、子供と犬とネコと暮らしているけれど、男に目が向いていた期間、友達とはうっとうしくつき合わなかったら、全員と切れてしまい、今、ひとりも友人がいません。近所づき合いも気があいそうもないのでしていません。何をやっても楽しくないし、毎日、家の中で、編み物やレース編みをしています。こんな人いやだ、どうにかしたい。と鑑定に来られても、私自身、言葉につまってしまい、何も言えなくなりました。
六十代前半の女性
十五年前から十歳下の男(自営)といい関係になりました。四、五年前に男が若い女と突然、結婚、自分は一体、何だったのか、とつめ寄ったら、子供が欲しい、と言われて引き下がるしかなかったけれど、そのままずるずると男とは続いています。だけど、最近、男と近い年齢の女ができたのは許せない。何としても決着をつけるために二人を呼びつけたい、と大騒ぎして来られました。私、「だから男が結婚した時点で手を切れと言ったのに、まだ続いているなんてツケがまわっただけでしょ。二人を呼んでどなりつけたり説得するなりすれば、男はますます離れていきます。」家族は十才近い年上の夫と二人暮らし(子供達は独立)。今までの刺激的な生活を捨てたら、退屈な老後しかない、絶望的な・・・・。でも夫と年下の男の二人を縛りつけて翻弄しているとは思ってもいません。過激な人なので放っておくしかありません。
五十代前半の女性
長年の夫の女性関係の激しさに、最初、心労ですっかり老け込んで来られました。その後、十才年下の男のとりこになるとみるみる若返り始め、心はうきうき、明るくなると不思議、夫も振り向き始めました。自分にもしっかり自信が持てるようになると、今度は夫を手玉に取りながら、何年か狙っていた十才年下の男を自分のものにしてしまいました。やがて年下の男に逃げられると、夫ともうまくいかなくなり、心にぽっかり穴があき、生きがいまで無くして暗くなり、また元通りに老け込んでしまいました。
それでも。いつかは、また、とその男との再会を夢見ています。私からの忠告「最初に警告しておいて失敗したのに、また深追いすると、今度は自分の人生と家族に取り返しのつかないことがおこる可能性があります。」でも人の話を聞かないで暴走する人なので、今後、どうなるかわかりません。
四十代後半の女性
今から四年前に七才年下の男とつき合い始めて、昨年からその男(会社経営)の会社に勤務し始めました。ところが最近、自分の家族の目を気にし出して、外で一切会ってくれなくなりました。自分は夫と姑と子供達と暮らしているけれど、その男にこの四年間尽くしてきたので男のことしか頭にないのです。どうかして自分のところへ目を向けさせて、何としても男に家族と縁を切らせたい・・・・。私「そんなあ!自分の家族はしっかり守っているのに、相手の家庭をめちゃめちゃにするなんて、バチ当り。一日も早く会社を辞めて男の前から姿を消した方が男にいい女だった、といい思い出となるけれど、しがみついていると、悪い女に引っかかったと思われますよ。」ハイ、ハイと返事はしたものの、まだ会社を辞めないで相変わらず毎日男の姿を目で追いながら、悶々と暮らしているようです。
確かに女性は強くたくましく、自己主張も堂にいったものとなっています。それならひとりでも生きられそうに思えるのに、昔も今も夫を含めて男を求める気持ちは変わらないのが不思議です。さらに最近の世の中は、「好きになったらまっしぐら。好きなんだから全て許される。」といった恋愛至上主義のような風潮も強まってきて、男女間の交流の自由なことこの上なく見えます。
しかしそこには大問題がひそんでいることに気がついているでしょうか。夫ないし別な男との固いきずなと砦を求めるあまり、友人、知人の多くを必要としないで、二人だけの世界に浸ってしまう・・・。そして生きがいと呼べるものはただ「男」のみ。そのまま年月が過ぎていく・・・。つまり男を求めれば求めるほど孤立していくのです。
しかしながら、長い人生の間、永遠に続かないのは人の縁、いつか終わりのあるもの。その後からが恐ろしい孤独感とむなしさが始まるのです。
人は何のために、何を求めて生きたらいいのでしょう。特に女性は。年配の女性の方達の鑑定で、過去を振り返って大きなため息と共に、後悔の多い生き方を知るたび、私自身、いつも答えのないまま考えさせられるのです。
我が家のネコ達、みどりは相変わらず家の中から出ないし、にいたはひまさえあれば、スズメとネズミとトカゲを狙っています。にいたは九死に一生を得た、というのに調子がよくなるとさっそく外で暮らしています。毎日、毎日、明けても暮れても、みどりは家の中、にいたは外、と元気、元気、何の疑問も抱かずにこのままもっと年取るまでいくこと間違いなし、と確信しています。ノーテンキでいいね。
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