吉川隆渓の教室だより 第六回(会報誌さつき6号より)
前回の教室だよりでは教室の規模について取り上げました。今回は、教室における授業の進め方(方針)や中身などの話をしていきたいと思います。
教室の方針
以前にも述べたと思いますが、教室の方針というのは、主宰する人のポリシーのようなものが大きく反映するものです。さつき会においては当然、鈴木紫苑と吉川隆渓の二人の一致した方針なのです。では、さつき会と他の教室の方針の違いは何でしょうか。それは最初から、ある程度実践で使用できる占技を中心に伝えたいという方針です。ここが他の教室とさつき会の授業の進め方(方針)の最大の違いではないでしょうか。
一般の教室の授業
一般的に、どの教室でも、基本から順々にレベルアップしていく進め方です。基礎→中級→上級→秘伝となっているのです。この流れを数年かけて行うのが最もオーソドックスな形態です。よい面も悪い面も両方ありますが、最初のうちは覚えなければならないことがたくさんあります。ただ、基礎だけやり続けていると皆飽きてきて、そのうちつまらなくなってやめてしまいます。
さつき会の授業
そうならないように、さつき会では、最初から本来、プロ向けの占技の中から使いやすいものを選び、提供しているのです。私が担当している算命学とタロットでは、基本・実践・高等占技を織りまぜながら、メリハリをつけて授業を進めていくことを心がけています。
話が横道にそれますが、さつき会の算命学の教室では上級・中級・初級、とクラスが分かれています。しかし、これは半分たてまえで、要はいつごろ授業に参加し始めたかだけなのです。ですから、上級で公開していない占技もときどき、中級、あるいは初級の授業で公開することもあります。それでも時間のカベはやはりありますので、初・中・上級の間の技術レベル(理解力)が違うのは当然です。
以上のような形で授業を進めていますが、問題がないわけではありません。学ぶ側というのは、高等な技術をこれでもか、これでもか、と要求してきます。教える側としても、どんどんレベルの高い占技を提供していくのですが、落とし穴がぽっかり口を開けていることがあります。それというのも、実践技術だけにかたよりすぎると、初歩の部分がいまひとつ、頭の中に残っていないこともあるのです。基本の弱さが時々顔を出すのですが、そんな時私自身も、もう一度初歩に戻したほうがいいのか、それともこのまま続行したほうがいいのか、迷うのです。混乱もしてしまいます。
男女の違い
今の世は男女は平等に思われていますが、実は男女の違いによって技術の習得力には明らかに差が出ます。以前、大手出版社の役員の人から伺いましたことは、「女性は、家庭や子供、あるいは彼氏のことに頭が行ってしまい集中力が足りなくなる。男性とは違い、頭の切り替えがへたなようだ。」と確かにこのことは算命学を学ぶと明確に理解できます。
技術の習得の際に「伸び率」が違ってくるのは当然なのです。「占い師になりたい」と口では言っていても、本当の意味でのプロ意識に目覚めないのです。スキルアップへの意識が本能的に低下しているのです。それでも、現役でバリバリ仕事をこなしている女性は、男性並みに伸びる可能性を秘めています。
秘伝とは
占いは他の習い事と違って、基礎がつたなくても、秘伝を学ぶとある程度活用できてしまうものです。もちろん、その効果は絶大なのです。鑑定をするさいに今まで読みとけなかった事も読みとく事が可能になり、グッと深みが増すのです。しかも、占いの秘伝というものは、聞いてしまえば、たいした技術を必要としないものが多いのです。他の習い事ではそんなわけにはいきません。例えば、武道を例にとりますと、地道な基礎の積み重ねと反復練習によって初めて大技をくり出すことが出来るようになる、という具合なのです。
秘伝の公開
占いの場合、基礎と高等(秘伝)の両方のバランスをうまくとることで、努力にもよりますが、最短で高みにとどりつける人もいるのです。私の場合は、良い師に恵まれましたので、最短ではないけれど、他の講師の方達より早く技術を身につけることができました。
そんなことから、なるべく多くの方達に、短い時間で技術を身につけていただきたいと思い、秘伝と呼ばれるものを公開しているのです。
それでもときどきふっと、頭の中をよぎることがあるのです。「この秘伝を出すべきか、出さざるべきか」とか。「もったいない」とか。
我々講師陣は「どこまで出すか」と毎回毎回協議を重ねています。なぜなら、長い時間と労力をかけて獲得したものを公開したときに、どれだけの人が、その価値を高く評価してくれるか、価値がわからなければ出すのをやめよう、と。価値を分かってもらえたら、最大限出したいと思いながら・・・。
すでに亡くなられた先生方も、秘伝を公開しないままお墓に持っていかれ、そのまま消えてしまった占技がたくさんあります。
秘伝を出す勇気
占いを始めると、秘伝の獲得に心血を注ぐものです。それでも、ある程度以上に秘伝を持ち過ぎるとどのように扱ってよいか分からなくなることがあります。その後、秘伝をしまいこむのは簡単ですが、教室を主宰する以上、「もったいない」なんて言っていられません。「秘伝を出す」勇気を持ち続けることがどれだけ大切な事でしょう。さつき会では、伝統の担い手を常に意識しながら、良いものは後世に残していかなければならない、と思っています。この情熱がなくならない限り、教室は続いていくし、また続けられると信じております。
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